町外れの路地。

銀杏の木は葉をたくさん茂らせている。

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ひぐらしの鳴き声が聞こえはじめた頃、空が青く輝き始めた。

地面も、建物も、辺りが真っ青に染まる。
なんとも不思議な光景に心が奪われる。

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ふと何かの気配を感じ、振り向くと
そこには青白く透き通る肌に濡羽色の黒い髪の少女が立っていた。

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少女は、じっとこちらを見たあとぱちんと指を鳴らした。

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すると地面の底から水が湧き、蓮の花が咲き始め、魚も泳ぎはじめた。

 

一瞬で辺りは水の都へ変化したのだ。

信じられない光景に目を疑っていると少女が微笑みながら、

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「ようこそ、こちらの世界へ。何が起こっても不思議じゃない、すべて思った通りになる夢の世界。さあ一緒に参りましょう。」